一乗谷復原町並
福井県にある一乗谷朝倉氏遺跡を訪れました。ここの「目玉」は戦国時代の武家屋敷や町家の街並みを忠実に再現した復原町並です。戦国時代、越前を統治していた朝倉氏。その拠点がここ一乗谷でした。しかし、天下統一を目指す織田信長により城下町は全て焼き払われ、朝倉氏も滅ぼされます。城下町の跡地はその後田畑となり地中に埋もれ歴史から忘れ去られますが、昭和42年からの発掘調査によって、当時の町を形成する礎石や石塀、出土品が続々と見つかりました。まさに日本の「ポンペイ」と言えます。発掘によって見つかった本物の礎石や塀の石垣をそのまま使って、忠実に再現したのがこの復原町並。実際の城下町全体のほんの一部分ではありますが、それでも約200mに渡って戦国時代の街並みが再現されています。この時代はまだ住宅の屋根は瓦でなく板葺きに石が乗っています。内部も庶民の家は土の土間と板敷で畳は敷かれていません。障子もなく窓をあけると風が入ってきます。その日がちょうど冷たい雨の降りしきる寒い日でもあり、当時の人々がこんな粗末な「小屋」で雪国の冬を凌いでいたのかと思うと、衝撃的ですらあります。その後、最近できた一乗谷朝倉氏遺跡博物館(内藤廣設計)を見学し帰路に着きました。